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エフシージー総合研究所
フジサンケイグループの調査研究機関。商品テスト、商品研究、テレビ番組の撮影協力等。
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使いやすくてよくうるおうのはどれ? 本命シートマスク ガチ検証!
カサついているときも、メイクのノリが悪いときも、そして大事なイベント前も。いつだって頼りになるのは潤いたっぷりのシートマスク。強烈な紫外線やエアコンによる乾燥で、過酷な環境の夏にピッタリなシートマスクを徹底検証。浸透力や保湿力、密着度など、使い勝手のいいシートマスクを探そう!
【TEST.1】ふっくら感は?
圧縮した乾燥スポンジをシートマスクで包んだとき、スポンジの高さがどう変化するかを観察。高さが出てふっくらするものほど高評価。マスクの液量やしみこみやすい粘度などで違いが出てくるので、戻り方も見よう。
BEFORE
01:N organic Bright
比較的シャバシャバ系の液ということもあり、しみこみやすいのか均一な高さに膨らんでふっくら。
02:MT メタトロン
ある程度の高さは出るけれど、ふっくら感はそれほどでもない結果に。液の粘度が高いせい?
03:クオリティファースト
スポンジは均一な高さに膨らみ、ふっくらした。液がシャバシャバということも関係していそうだ。
04:SUQQU
粘度があるからか、スポンジの高さはある程度は出るものの、そんなにふっくらした印象ではない。
05:トーン
スポンジの高さはあまり出ず、ふっくら感はほとんどなし。粘度が高めのテクスチャーが原因か。
06:ファンケル
あまり高さは出ず、ふっくら印象はない。乳液状のこっくりテクスチャーも関係していそうだ。
07:VT COSMETICS
均一な高さに膨らみ、スポンジ全体がふっくら。シャバシャバ系の液だからしみこみやすいのかも。
08:ポーラ
とろみはあるが粘度低めのテクスチャーのせいか、均一な高さに膨らんでスポンジがふっくらした。
09:メラノCC
全体的にスポンジがふっくら! 高さも均一になっているのは、しみこみやすい液のおかげかも。
10:ONE BY KOSÉ
ゆるめだが乳液っぽいせいか、あまり高さは出ず、スポンジのふっくら感も均一ではなかった。
【TEST.2】液の粘度は?
シートマスクに含まれている液をすりガラスに置き、垂直に立てたときの垂れ具合を見ていく。液が垂れず動かないものほど粘度が高く、顔にのせたときに垂れる可能性が低くなる。
01:N organic Bright
02:MT メタトロン
03:クオリティファースト
04:SUQQU
05:トーン
06:ファンケル
07:VT COSMETICS
08:ポーラ
09:メラノCC
10:ONE BY KOSÉ
10品の中で、もっとも粘度が高いのが06。濃密で、まるで乳液のようなテクスチャーだ。02、04も粘度高めのタイプ。粘度が低くシャバシャバしているのが、8.0cm以上垂れた07と09。03もゆるいテクスチャー。肌状態や使用シーンで使い分けるのが正解か。
【TEST.3】潤う?
前腕内側にシートマスクを使用する前と、それぞれのメーカーが推奨する目安時間貼って、剝がして60分経ったときの水分量を測定。その変化量をグラフ化したものが下の図で、数値が高いほど潤う。
10品の中で、もっとも潤う力が高いのは05であり、2位04、3位03、4位09、5位06と07が同率という結果に。シャバシャバ系もとろみ系も入り混じっていて、液の粘度はあまり関係がなさそう。ただ粘度の高い02はラッピングして水分を逃がさないタイプなのかもしれない。しっとりもっちりしたいか、さっぱりしたいか。あと肌の好みで評価も分かれそう。
【TEST.4】マスクの液量は?
袋から出したマスクの重量から、乾いたシートの重量を引いた、マスク含浸液量を算出。数値が大きいほど液が含まれている、つまりヒタヒタに含浸しているということ。液量が多いのはどれ?
10品中、マスクにもっとも多く液が含浸しているのは03。2位04、3位02、4位09、5位07という結果に。03や04はかなりヒタヒタなので、剝がしたあと肌にたっぷり液が残りそう。05や08、10は液量が少ないけれど、そのぶんマスクを顔にのせるときに液垂れしにくい可能性も高いので、“ながらマスク”にはいいかも。使うシーンによって最適な液量をチョイス!
【TEST.5】シートを拡大すると?
乾燥させたシートマスクの表面と断面を、マイクロスコープで観察したのが下の画像。シートの厚みや繊維の向き、密度などをチェック。密に編まれているものはしっかりとした素材感だったり、薄いものは顔に沿わせやすかったりする。顔にのせたときの状態を想像しながら見ていこう。
01:N organic Bright
02:MT メタトロン
03:クオリティファースト
04:SUQQU
05:トーン
06:ファンケル
07:VT COSMETICS
08:ポーラ
09:メラノCC
10:ONE BY KOSÉ
ハリがあるシートは01、02、04、05。やわらかタイプは03や06、07、08、09、10。厚手のしっかりタイプが好みなら02、03、04が当てはまるし、薄くて密着するタイプが好きなら05、07、08がいい。切れ込みもそれぞれ違うので、装着感はTEST.8も参考にして。
【TEST.6】ツヤは出る?
シートマスク使用前と、貼って剝がして60分後の肌の光沢度を測定し、変化量を算出したのが下のグラフである。乾燥してくすんだ肌を、1回でつややかにしてくれるシートマスクはどれ?
数値が高いほどツヤをもたらすということ。剝がしてから60分が経過しているので、水で濡らしたからツヤが出たわけではなく、油分などによってツヤが出ている。結果、10品の中でダントツにツヤが出るのは04で、06、05、09と続いていく。02や08はツヤを出したくないときのケアに取り入れたい。
【TEST.7】浸透力は?
和菓子のらくがんをシートマスクで包み、10分後の表面の様子と、半分に割った断面の様子を見る。色が濃くなるほどしみこんでいるとし、肌への浸透を期待できるとみなす。
BEFORE
01:N organic Bright
表面は濡れて、芯は少しだけ残るけれど中までしみこんでいる。浸透のいいシートマスク!
02:MT メタトロン
表面は濡れているし、断面を見れば浸透しているところもある。でも芯は、やや多く残った。
03:クオリティファースト
表面は色が濃くなり濡れているし、中にも浸透。芯は残っているものの、少ないほうである。
04:SUQQU
ある程度、表面は濡れるけど、断面を見るとあまり浸透していない。芯も残っているようだ。
05:トーン
らくがんの表面は濡れているけれど、断面を見るとかなり芯が残っている。浸透はイマイチ。
06:ファンケル
表面はある程度は濡れているけれど、断面を見るとかなり芯が残っている。あまり浸透せず。
07:VT COSMETICS
表面は濡れて色が変わっているし、断面を見ると浸透はしているが、芯が少し残っている。
08:ポーラ
表面は濡れて濃く変色。断面を見ると中まで浸透しているのがわかるけれど、芯は残っている。
09:メラノCC
らくがんのカタチを保てないほど濡れた! もちろん中まで浸透しているし、芯も残らず。
10:ONE BY KOSÉ
表面はある程度は濡れているけれど、あまり浸透していない。断面を見ると芯も残っている。
【TEST.8】フィット感は?
メーカー推奨の方法でシートマスクを顔にのせた状態と、大きく口を開けて「あいうえお」と口を動かしたあとの状態を並べて観察。フィット具合を比べつつ、これまでの評価も合わせて見ていく。
01:N organic Bright
スッと浸透してあと肌はふっくら
横幅があり耳にかかるほど大きめサイズのシート。目元に折り返しがあるので、上まぶたのケアをしたいときにはありがたい。液はゆるめだけど、量が多すぎないので垂れてこないし、ちゃんと浸透するからこのあとのスキンケアの邪魔にもならない。
ハリがあって、あまり伸縮しないシートということもあり、口を動かすと口まわりを中心にマスクが浮く。
02:MT メタトロン
顔すっぽりのサイズ感であごまで抜かりなく
大きめサイズのシートマスク。あごで真ん中がセパレートするタイプなので、顔の形に関係なくフィットさせられる。マスクに含浸する液量は多いが、ドロッと粘度が高いために垂れにくい。あまり浸透しないため、剝がしたあとは肌全体になじませよう。
多くの切れ込みがあるため、顔のカタチを選ばず合わせやすい。でも動かした口まわりはやや浮いてしまう。
03:クオリティファースト
液量ナンバーワン! 潤いもしっかり補給
額部分がやや広め。スリットを切り離す手間がなく、シートに厚みがあるところも扱いやすい。ゆるいテクスチャーの液がヒタヒタにたっぷりと含まれていて、剝がしたあとも肌に残る。潤い効果はバッチリだから、乾燥肌もしっかり保湿できるはず。
厚みがあるがやわらかい感触のシート。伸縮性が高いので、口を動かしてもあまり浮かず、密着する!
04:SUQQU
乾燥した肌に潤いとツヤ感をプラス
額や横幅はコンパクトで、あご下から首までかかる形状。シートが3段になっているので切り離す箇所が多く、貼りつけるのに少し時間がかかるかも。コクのある乳液タイプで量も多く、潤い効果は第2位。ツヤも出るので、乾燥したくすみ肌に最適。
首までかかる形状なので、シートをフィットさせるのに少し時間がかかる。その分、フィット感はばっちり!
05:トーン
潤い効果ナンバーワン! 乾燥肌の心強い味方
コンパクトなサイズ感なので、髪を濡らしたくないときにピッタリ。シートは薄手ながらハリがあり、顔の凹凸に沿わせるのが少し難しい。粘度高めの液で量も少なめなので、垂れる心配はなさそう。しっとりさせる効果が高いぶん、ベタつきはある。
ハリのあるシートが特徴的。貼っただけなら密着するけれど、口を大きく動かすと少しだけ口まわりが浮く。
06:ファンケル
ベタつかないからデイリーに取り入れやすい
横幅のあるシートなので生え際にかかる可能性も。目元に折り返しがあり、上まぶたのケアをしたいときには便利だ。乳液のように粘度の高いテクスチャーだけど、液量はあまり多くないので垂れる心配はなさそう。使用後はツヤが出てくすみを払拭。
肌あたりのいいなめらかなシートが気持ちいい。顔にフィットして、口を動かしてもあまり浮かない。
07:VT COSMETICS
ふんわりしたシートでみずみずしく保湿ケア
髪の生え際にかからないコンパクトなサイズ感と、切り離しの手間がいらないところが使いやすい。薄手の不織布にシャバシャバ系の液がヒタヒタに含まれているので、液だれには注意が必要かも。肌に液がたっぷり残るので、しっかりなじませて。
サラッとした液なので、実際よりも液量が多く感じる。そのせいか顔が動いてもあまり動かず、密着する。
08:ポーラ
テラテラしにくいから朝のメイク前にも◎
下に向かって横幅が広がり、耳付近までかかる形状。やわらかい上に薄めのシートなので、肌にピッタリと密着する。液はとろみがあって液量も少ないので、垂れてくる心配もないだろう。使用後もあまり残らないから、朝のメイク前にピッタリ!
薄めでやわらかなシート。伸縮性もあるので顔にピタッとフィット。しゃべって動いても全然浮かない!
09:メラノCC
ローション感覚でデイリー使いしたい!
楕円形で横幅があり、耳付近にまでかかるけれど額は小さめ。やわらかい素材で目元の折り返しもあるので、貼るときは丁寧に広げてフィットさせる必要がある。ゆるい液でつゆだく状態だけど、浸透がいいのであと肌はかなりみずみずしい。
シャバシャバタイプの液がたっぷり含まれているせいか、密着度が高く、口を大きく動かしても浮かない。
10:ONE BY KOSÉ
顔に沿った形状だから短時間で装着可能
髪の生え際にかからないぐらいのコンパクトさ。スリットを切り離す手間もないので、時間をかけずに顔に貼れる。ゆるめの乳白色の液で、それほど液量も多くないから液だれの心配もない。剝がしても液が残らず、軽くのばせばサッとなじむ。
小ぶりのサイズ感なので扱いやすく、時間をかけずに顔に貼れる。でもフィット感は甘く、動かすと浮きがち。
【TOTAL】総合評価
サイエンスな結論
乾燥対策で使うことが多いからこそ、保湿効果は大事なポイント。その点でいうと、05、04、03、09、06、07は保湿力が高く満足感が得られそうだ。ゴワつきが気になるなら、浸透のいい09、そして03、01も潤いで満たしてくれるはず。くすみ肌に一瞬でツヤを与えたいときは、04、06、05、09。メイク前に使用する場合は、テラテラしない02、08が便利。たっぷりの液を楽しみたいなら、03、04、02、09、07。とろみのあるテクスチャーが好きなら06や02、04、さっぱりさせたい夏のケアには、粘度低めの07や09、03が向いている。季節や肌状態、使うシーン別に選ぶべし!
撮影/石田健一(実験)、藤本康介(静物) 実験/エフシージー総合研究所 取材・文/穴沢玲子 構成/佐野桐子
Edited by 新井 美穂子
公開日:
この記事に登場したコスメ(9件)